結婚式の主賓や最近では来賓でも、「タキシード」を着る男性が近年増加しております。片や一般の方には全く馴染みのない、禁断のスーツスタイル「ズート・スーツ」。
「ズート・スーツ」に「タキシード」のエッセンスを注ぎ込んだ今回のスタイルは、「ズート・スーツ」であって、「ズート・スーツ」でない。
この無謀な一着は果たして成立するのか!?
ズートスーツとは?まずはズートスーツを知る。
最初のズート・スーツ(Zoot Suit) は1939年2月、アメリカのジョージア州に住む「食堂の皿洗いの少年」が注文し、それから2年後にこのスーツは「チンピラのしるし」と呼ばれることになるのだった。
ズート・スーツ は1940年代にかけてアメリカ合衆国のファド(一定の人たちの間でごく短期間に流行する極端なファッションのひとつ。)の間で流行しました。
このスーツのデザイン的な特徴は、非常に長い上着丈、袖口のフレア、襟はラペルが幅広い、極端にパッドを多く入れた反り返っている肩線、カフ・リンクスは極度に大きいのが上着の特徴で、パンツはウエストラインにタックがつき、尻回りがひどくゆったりして、足の太い人が履くのに困難するほどの、裾口に向かって細くテーパードしていたり、はたまた太ももから裾口までゆったりとしたダボダボのシルエットがパンツの特徴的であった。
そして、ズート・スーツに使われた柄は、必ずといっていいぐらいジグザグ模様や目玉が飛び出るよう奇抜な色・織柄が多かった。
アクセサリーも同じように極端に派手で、腰から懐中時計用の特別に長いキー・チューンがズボンのループにとりつけられ、ポケットとの間に垂れさがっていた。靴の爪先は鋭くとがり、そして帽子のつばはきわめて広かった。
つまりズート・スーツは現代のスリムなシルエットのスーツのトレンドとは全くの対極のスタイルであった。
ズート・スーツに纏わる物語
当時、この独特のファッションをする人達は、ズート・スーターと呼ばれていました。
ズート・スーターの多くは、黒人やパチューコと呼ばれたメキシコ系のアメリカ人の若者で、いわゆる当時の不良たちです。ズート・スーツは、当時の若者や黒人ジャズミュージシャンやパチューコに愛用されたズート・スーツを、この世に広めたのは、黒人ジャズミュージシャンや俳優・漫画の登場人物たちによって広められた流行の一つで、ラテン系アメリカ人の若者たちやアフリカ系アメリカ人の若者たちが着用することが多かったです。一部の若者たちは、スーツを着て踊ったり、音楽を演奏している姿が見られ、若者文化として徐々に注目を集めました。ちなみにズート(ZOOT)とは、もともとジャズ用語で、演奏者への「掛け声」の掛け方、又はジャズ演奏に対する「合の手」という意味を持っていました。
1939年に始まった第二次世界大戦の影響で、アメリカ国内でも物資の節約が設けられましたが、
ズート・スーツは生地をより多く使う派手なファッションのため反社会的に見られていました。
オーバーサイズの服を身に着けて着飾ることが、黒人やパチューコの自由と反抗心を表現していました。しかし、1943年6月3日にロサンゼルスでズート・スーツ・ライオット(Zoot Suit Riots)という暴動が起きました。ロサンゼルスの海兵が、ロサンゼルスに住む二世在米メキシコ人の若者を攻撃したことが暴動の火種になりました。この暴動のきっかけは、以前から積み重なるパチューコと海兵の喧嘩の復讐です。暴動では、海兵50人が参加し、街中のパチューコのズート・スーツを脱がせて山積みにして燃やしました。争いは、1週間続き、ズート・スーツを着ていない黒人やメキシコ系の人々も攻撃されました。その時のロサンゼルスの警察は、この暴動を止めずにパチューコ達だけを逮捕していきました。暴動から明るみに出た人種差別この差別行為は、大変な問題を生みました。
結果的に米軍サイドは、自分達の軍人をロサンゼルスに出入りすることを禁止にして
出典:1-style-magazine.com
そしてロサンゼルス市会は”ズート・スーツを着る事”を禁止にしました。
ズート・スーツが衣服とファッションに対する若者たちの関心を示し、そのために一部の人たちには無秩序の象徴と見えたのは不運ではありましたが、アメリカ合衆国における独自でアメリカ的なファッションを発展させる可能性も持っていました。
ズート・スーツは突然で衝撃的な終末を迎えたけれども、貧しい若者たちが自分自身のファッションを創造しようとする最初の試みであり、すべての面で最近の衣服の基調とは異なったものであるとして、ファッション史にはじめて登場したものでした。
現在では、ズート・スーツはファッションの歴史の一部として、また文化的な要素を持って語り継がれています。
MC KAN×KUN × Order Suit Zentile
大阪のクラブシーンで、彼無しでは語れない「MC KAN×KUN」さんが、弟さんの結婚式に参列しお召しになるご自身のスーツをお求めにご来店されました。
K「ゴットファーザーが着てそうなスーツのイメージで、ズート・スーツかタキシードで迷ってます。」
L「タキシードは大好物ですが、ズート・スーツであれば、近所のあの名店がオススメですよ。笑」
K「キラン(目)否、折角なのでオーナーさんのセンスを信じて、こちらでお願いしたいです。」
L「MC KAN×KUNさんのご期待に、テーラー人生を掛けて頑張らせて作らせて頂きます!」
そして、生まれたのが「ズート・スーツ」に「タキシード」のエッセンスを落とし込んだこのスタイルです。弊店のスーパールーキーの「アオイ・モリモト」と共に、MC KAN×KUNさんがお選びになった黒ベースに太い幅の白いストライプ生地で、期待と想像を膨らませ「あーでもない、こーでもない」と悩みに悩み抜いたオーダースーツというか、もはや一つの作品が完成いたしました。
ズート・スーツの長い上着丈のジャケットに、タキシードを彷彿させるショールカラーやポケット口の拝絹の切り替えをミックスさせました。
米国では「ベスト」(英国では「ウエストコート」。フランスでは「ジレ」。)と呼ばれるベストのフロントカットはスクエアにして、胸元のVゾーンは極限まで詰め独特のデザインにさせて頂きました。
パンツは超ハイウエストでズート・スーツらしいですよね。
街であったら目を合わせたくない強面の「MC KAN×KUN」さんですが、意外とお茶目な人で終始笑いが絶えない楽しい接客をさせて頂きました。本当にありがとうございます。
後日、この作品を纏い愛する弟さんの為に一番気合いを入れて結婚式に挑んだ「MC KAN×KUN」さんが会場をどよめかしたのは言うまでもないでしょう。
そう、普通の既製品のスーツとオーダースーツの大きな違いは「着る人の圧倒的な気合いの差」を体現して下さりました。
そして、弊店と他店のオーダースーツの差も「創る人の圧倒的な気合いの差」であり、「日々精進、一着入魂」していきます。
MC KAN×KUN アーティスト情報
ジャンル・業界・職種…あらゆる境界を縦横無尽に飛び越え、クロスオーバーさせていくMC KANxKUNは、ナイトクラブのホストMCとしてキャリアをスタート。HipHop, R&B, House, Top40…どのジャンルにも素早く対応し、フロアーにエネルギーを与える持ち前のスキルを武器に、昼夜問わず月30本以上にも及ぶブッキングを乗りこなし、破竹の勢いで大阪のクラブシーンにその名を轟かせた。それと同時に、東京・広島・沖縄…と、日本全国からゲスト出演のオファーが相次ぎ、ホストMCとしての地位をより強固なものとした。 デビュー以降、常に活動の幅を広げ続けるMC KANxKUNは、自身のビジョンを形とすべく、イベントオーガナイズにも着手。大阪・ミナミの一等地に店舗を構えるCLUBで開かれているレギュラーパーティーの主催。他にも、大阪では初の試みとなった、ホテルのルーフトップバーでレギュラー開催されたプールパーティーのオーガナイザーとしても活躍する。 2015年には、長く活動を共にしてきたDJ/プロデューサーのAlphashotと、楽曲制作を手掛けるプロジェクト『#O_H_C (Osaka Hot Connection)』を始動。西野カナの大ヒット曲『トリセツ』にEDMアレンジを施したRemixが話題となり、CLUB業界だけでなく、あらゆる音楽ファンからのフォロワーを獲得。翌年2016年には、Red Bull Thre3style 2015 Japan ChampionのDJ B=BALL a.k.a DBBと共に作り上げた『Ninja Terror』をiTunesでリリース。自身の楽曲に、ラッパーやディージェイをフィーチャーする等、今後の動きにも目が離せない。 また、ナイトクラブ以外の場においても、MCとして精力的に活動。百貨店の特設ブースで公開収録も行われたラジオ番組『吠えろ!タイガースピリッツ!』ではパーソナリティーとして出演。サンテレビ『バキバキビート』にもゲストとして招聘され、各メディアを中心に、企業イベントの総合司会等、”喋りのプロフェッショナル”として、様々なフィールドからのニーズに120%のパフォーマンスで応える。 ホストMC・オーガナイザー・プロデューサー・司会進行と、様々な顔を持ち、それぞれの良さを他のフィールドに活かすマルチな活躍で、全国的にも知名度を上げている、大阪稀代のオールラウンドプレイヤーである。
出典:tunecore.co.jp
ジャンル:HipHop / Reggae / Electronic
活動エリア:大阪
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どんな時代もお洒落を楽しみましょう。
【日本人男性の装いを変えた男】
大上貴司(装い王子)
WEBメディア【ザヒューマンストーリー】にも大上が掲載されております。
経済界、スポーツ界、文学界など様々な分野で活躍されている人から、人生の岐路に立たされた方々へ向けて、 生きていく知恵や成功のカギ、人生の糧となるメッセージや考え方を発信してます。
オーダースーツ ゼンティーレのフィッター 大上が発信する「男のファッション講座」
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